なるべく普通の人にも分かるように解説書いていくんで
暇なJ民は一緒に考えてみて、どうぞ
胃から吸収されるのはどれか。
a.鉄 b.葉酸 c.脂肪酸 d.エタノール e.グルコース
酒は飲んだら数分で酔い始めるのは胃で吸収されるから
腸でしか吸収されなかったら酒飲んでから酔い始めるのに数十分ぐらいかかることになるよね
a:鉄は主に十二指腸で吸収される
細かいこというと鉄は胃でイオン化されることで十二指腸で吸収されるため、
胃がん等で胃を摘出してしまうと鉄を吸収できなくなり、やがて鉄欠乏性貧血になったりする
b,c,e:主に小腸で吸収される。
ワイも明日から医者や!!!!
わが国における喫煙について正しいのはどれか。
a 喫煙率は50%を超える。
b 禁煙の薬物治療に医療保険が適用される。
c 喫煙指数は1日の喫煙本数×年齢である。
d 受動喫煙によって肺癌の発生は変化しない。
e ニコチンはたばこに含有される発癌物質である。
今の日本は医療保険費の金を使ってでも禁煙を推し進めようっていうスタンスやね
a:現時点での日本の喫煙率は20%ぐらい
c:喫煙指数はブリンクマン指数とも言われとって、1日の喫煙本数×喫煙年数(年齢ではない)や
d:これは一般の人にも広く知れ渡っとるが、もちろん副流煙も肺癌のリスクになるで
e:意外かも知れんがニコチンに発癌性はないで。でも(考えてみたらニコチンガムだのニコチンパッチが販売されてるし)当たり前だよなあ?
タバコに含まれる発がん性物質はタールとかベンツピレンとかや。
問題3.
22歳の男性。友人に勧められて禁煙外来を受診した。喫煙歴は20歳から毎日10本程度。自分で禁煙を何度か試みたがうまくいかないという。現在、大学に通っており、既往歴に特記すべきことはない。
次に実施すべきなのはどれか。
a もう一度禁煙を試みてうまくいかなければ再受診するよう指示する。
b 喫煙歴が短いため禁煙外来の対象にならないと説明する。
c 情報提供を行い禁煙の意志を確認する。
d 禁煙外来を勧めた友人に連絡する。
e ニコチン補充療法を開始する。
これが医師として適切な対応。
今の国師ってこういう実臨床に即した問題が多いんや
a:すでに何回か禁煙にチャレンジしてるから、不適切な対応
b:この患者は禁煙外来の適応になる。次のレスで細かく解説するで
d:(連絡をする意味が分から)ないです
e:このケースでいきなり投薬をおっぱじめるのは適切な対応とは言えん
ブリンクマン指数 = 1日の喫煙本数 × 喫煙年数
っていう計算で求めることができる。
この数値が400を超えたらがんの発生性が上昇するって言われてるんや
また1,200を超える人だと肺がん以外にも喉頭がんの危険性も高くなるといわれてる
喫煙派J民は試しに自分の喫煙指数計算してみて、どうぞ
で、この喫煙指数が200を超えると禁煙外来の保険適応になるんや
この問題の患者は 1日10本×2年 = 20 だから適応外じゃないか(憤怒)と思うかもしれんが
この「喫煙指数が200以上であること」っていうのは35歳以上の患者にのみ当てはまる話で
それ以下の年齢の人はこの縛りがないんや
長々と書いたけど要するにこの問題の患者は禁煙外来の適応になるっちゅーわけや
はぇ~ 免許センターの問題みたい
栄養素とその欠乏によって起こる病態との組合せで正しいのはどれか。
a マグネシウム --------- 味覚障害
b ビタミンA --------- ペラグラ
c ビタミンC --------- 出血傾向
d カルシウム --------- 貧血
e 亜鉛 --------- 夜盲
壊血病
ビタミンCが不足すると壊血病っていう病気になるんやが、その症状として皮膚や粘膜からの出血があるんや
壊血病っていう病気はワンピースで聞いたことあるニキが多いんちゃうかな
a マグネシウム欠乏だと、テタニーっていう手足が痺れる病気になるで
b ペラグラはビタミンB3が欠乏して起こる病気や。皮膚症状(dermatitis)、消化器症状(diarrhea)、精神・神経症状(dementia)の3Dって呼ばれる症状を起こすで
d カルシウム欠乏だと骨粗鬆症みたいな骨が弱くなる病気になって、骨折しやすくなるんや。分かりやすい
e 亜鉛欠乏だと味覚障害がおこるで。夜盲はビタミンA欠乏で起こるってのはわりと有名やね
マグネシウムやVB3欠乏するってどんなとき?
マグネシウム欠乏はフロセミドっていう利尿剤とかシスプラチンとかの抗がん剤を飲んだ時に起こり得るで
他にもいろいろあるけど
ビタミンB3不足は、単純に飢餓状態とか胃を切除して吸収量が減少したりとかで起こりうるで
シスは点滴
ほんまやスマンかった
内科医だけど実際にビタミン欠乏症なんてPTCD刺してる人のVKくらいしかみたことないわ
胃全摘後のVB12もあるね。
問題5
吸気に最も関与している筋はどれか。
(※息を吸うときに一番大きな仕事をしている筋肉はどれか)
a.僧帽筋 b.横隔膜 c.内腹斜筋 d.胸鎖乳突筋 e.気道平滑筋
bや
そもそも横隔膜って筋肉なんですけど知ってましたか?
息を吸うときは、横隔膜が下がることで肺がアコーディオンみたいに膨らんで空気を取り込むんやで
ちなみに横隔膜って焼肉でいうハラミだゾ
a,d:息を吸う時に補助的に用いられる。
c:呼気時に補助的に用いられる。
e:気道を囲むようについてる筋肉で、喘息に大きく関わっている
問題6
アルコールによる異常酩酊を疑う状況はどれか。
a ビール1杯で悪心を訴えた。(悪心:吐気をもよおして胸がむかつくこと)
b 飲酒後に陽気で多弁になった。
c 飲酒後に大声で興奮し始めた。
d 虫が這うような幻視を訴えた。
e 大量飲酒して意識を消失した。
そもそも「異常酩酊」ってなんやって話やが
異常酩酊には「複雑酩酊」と「病的酩酊」に分かれる
複雑酩酊は「飲酒後に見られる著しく強度な攻撃行為や性的加害行動が行われる酩酊」で
病的酩酊は「複雑酩酊に加えて強い意識障害がみられる酩酊」や
要するに「異常酩酊」ってのはいわゆる「酒乱」とか「酒癖が悪い」のに相当すると思ってもらえばええ
a,b,は酔えば誰でも大なり小なり起こる反応やね
dはアルコールの離脱時にみられる小動物幻視で、アルコール依存症っていう別の問題やね
eは複雑酩酊の症状が見られないから病的酩酊にはならない
勉強になります
国家試験問題あるある
医師と医師の会話のための前提知識だからあえて単語を抜く
こういう問題を国試で出したのかなーって個人的には思ってたり
問題7
医師の職業倫理としてふさわしくないのはどれか。
a 社会性
b 人間性
c 生涯学習
d 利他主義
e 営利主義
営利主義はそれに反する
そら金儲けのことしか頭にない医者なんて嫌やろなあ
この問題の正答率は9割超えてて、受験生にはサービス問題だったと思われる
aからd:そらまあそうやろなって感じやね。
利他主義ってのは他者の利益を優先する思想で、医者には患者第一であってほしいもんやで
問題8
芥川龍之介著「歯車」の一部を以下に示す。
のみならず僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを? ― と云うのは絶えずまわっている半透明の歯車だった。
僕はこう云う経験を前にも何度か持ち合わせていた。歯車は次第に数を殖やし、半ば僕の視野を塞いでしまう、が、それも長いことではない、
暫らくの後には消え失せる代わりに今度は頭痛を感じはじめる、― それはいつも同じことだった。
「僕」の症状から最も考えられる疾患はどれか。
a 緑内障
b 片頭痛
c 脳内出血
d 緊張型頭痛
e 慢性硬膜下血腫
片頭痛っていう病気は、頭痛の前駆症状として閃輝暗点が見えることがあるんや
閃輝暗点っていうのは「ギザギザした光る波」みたいに言われることが多くて、
この問題の「歯車」と一致してると考えられる
a,c,d,e:頭痛は起こすけど「歯車がみえる」っていう部分が合わない
そういやドストエフスキーの作品にもてんかんの描写がよく書かれてるから、そのうちそっちも国試の問題に出るかもね(適当)
文章がクソ長いけど読んで、どうぞ
61歳の男性。意識障害のため家族に連れられて来院した。昨日、物が二重に見えると家族に話していたという。
今日になり、歩行がふらつき、意識もおかしいと家族が気付き受診した。頭部外傷の既往はない。飲酒は日本酒3合/日を40年間。
意識レベルはJCS I-3。血圧130/80mmHg。眼瞼結膜は軽度貧血様である。眼球運動は左方視にて右眼球の内転が不良で眼振もみられた。歩行不能である。
(オリジナルの問題では血液所見も書かれてたけど、長すぎるので省略)
診断のために再度確認すべきなのはどれか。
a 喫煙の状況
b 摂食の状況
c 胆嚢摘出の手術歴
d 甲状腺疾患の治療歴
e 抗精神病薬の服薬の有無
d
血液検査の所見をまとめると、
・やや貧血気味
・アルブミンがやや低い
ぐらいでそれ以外は特に特徴のない数値やったで
問題文がダラダラと長かったけど、要約すると「意識障害、眼球運動障害、歩行障害」の3つが主な症状として挙げられる
これはウェルニッケ脳症っていう病気を疑う所見なんや
ウェルニッケ脳症っていうのはビタミンB1の不足により起こる脳の病気で、この問題では「飲酒」がキーワードになる
で、脳は特にエネルギーを取り込むのにグルコースしか使うことができないから、
ビタミンB1が不足すると脳がうまくエネルギーを取り込むことができなくなるんや
それで意識障害、眼球運動障害、歩行障害みたいな脳の障害で起こる症状がみられるようになるんや
ほっとくと死んでしまうおそろしい病気なんで、すぐにビタミンB1を患者に投与する必要がある
乙
イメージしてほしいんやが、酒飲みってご飯をろくに食べずに酒ばっか飲む人が多いやろ? 栄養不足になりがちなんや
さらに、アルコールは体内で無毒な物質に代謝される際に、ビタミンB1を消費してしまうんや
栄養不足+アルコール代謝によるビタミンB1消費のダブルパンチでウェルニッケ脳症になってしまうわけやね
ちなみに他にウェルニッケ脳症になりやすいのは極端な偏食のせいでビタミンB1不足におちいる人とか、
つわりがあまりにもひどすぎて何も食べられないような妊婦さんとかやね
なのでそういう妊婦さんが点滴治療を受けるときは、点滴に必ずビタミンB1を入れるようになっとる
付き合ってくれてありがとや
ここからはせっかくなんで今の医師国家試験の事情でも適当につらつら書いてくで
「今の医学生ってこういうテストで苦しんどるんかー」って感じで適当に笑いながら聞き流してくれや
必ず受けないといけないと法で決まっとる試験は3つある
CBT、OSCE、医師国家試験の3つや
まあ医者じゃないけど
歯科医か何か?
OSCEはCBTが終わった数日後~1か月後ぐらいに受ける試験で、こっちは実技試験や
聴診器で胸の音を聴いたり(聴こえてるフリ)、BLSの実技をやったりや
BLSってのは道端で倒れた人の心肺蘇生術で、運転免許とる時に必ず一回はやるアレや
OSCE直前になると横たわった人形に向かって
「あ、人が倒れた!周囲の安全よし!体液汚染なし!感染予防のための手袋装着よし!大丈夫ですか!わかりますか!」
っていう呪文を医学生がブツブツと唱えるシュールな光景が見られるで
だいたい4年生の春から秋ぐらいに受ける試験(学校によって受ける時期が違う)で
6年の終わりに受ける医師国家試験が簡単になったような問題が出るで
一人一人受ける問題が違うからカンニングとかはまず無理やろな
この試験の成績で医師免許をもらえるかどうかが決まる
昔と比べると変わった点として
・もともと3日間で500問を解いていたのが、2日間で400問解く様式に変わった
・英語で問題文が書かれた問題が追加された
・外科の問題が増えた
・救急の問題が増えた
等が挙げられるで
出来がどうであれ成績が下位1割に入った人間は不合格にするっていう悪魔の所業みたいな試験や
医学部受験を突破した連中が
理不尽な難易度の基礎医学の試験やCBTやOSCEさらにポリクリ実習に卒業試験と
次々襲い掛かる関門を突破してさらに必死こいて精神を病みながら猛勉強したのに
1割が落とされる試験って考えたら恐ろしい……恐ろしくない?
2020年度からまた少し制度が変わるんや
具体的には
6年の秋ごろにpost-cc-OSCEなる実技試験が新たに追加されるんや
当然コレもクリアしないと医師免許が取れない
実技試験だからコレで大量に落とされるってことはないと思うけど、
2月の国家試験に向けた勉強時間を削られる医学生が続出されると思われる
あると思います
おんJはクズの掃き溜めじゃなかったんか
研修医が自分の専門を選んで専門医になる時にもシーリングっていう制度が導入されるらしい
これは「〇〇県で〇〇科の専門医になる医者の数に上限をかけますよ」っていう制度で
どうも都会の県で内科とか皮膚科、眼科といった現状の医者の人数が(比較的)多い科に導入されるらしい
つまりこれからの若手医者に
・田舎の県にいけ
・不人気の科にいけ
っていう圧力をかけようとしてるわけやな
「この病院で研修を受ければ専門医になれますよ」っていう認定を受ける病院の条件が異様に厳しい
現状だと大学病院か大規模な市中病院ぐらいしか認定されないんじゃないかと言われとる
つまり「大学の医局に若手医師という奴隷労働力を呼び戻したい」っていうことやろな
本当のところはどうか分からん
つまるところ「今の医師養成制度は何かと過渡期で誰も先行きを見通せてない」
ってことが言いたかったんや
どういう形に落ち着くんやろな
今度こそ終わるわ
じゃあな
引用元:https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1565446653/